紋章の書
日本の家紋から西洋の紋章まで、紋章学の世界を体系的に解説。モチーフの意味、デザインルール、歴史、国章・王家の紋章を網羅する教養メディア
カテゴリ一覧
西洋紋章学入門
すべて見る →ブレイゾンとは|紋章記述の語順と文法
ブレイゾンとは|紋章記述の語順と文法
ブレイゾンは、紋章や旗の図柄を定義する正式な記述文であり、図そのものよりこの一文が本体になる。12世紀の古フランス語 blason にさかのぼり、英語には14世紀末までに入った語で、日本語ではブレイゾン、ブレイズンの揺れもある。
紋章学とは|西洋紋章の基礎を一から解説
紋章学とは|西洋紋章の基礎を一から解説
紋章学(ヘラルドリー)は、紋章を考案して記述する慣習と、紋章を整理分類して由来や意義を研究する学問という二面を持つ分野です。全身甲冑で顔が見えない騎士を12世紀の戦場で識別する必要から生まれたため、盾に描くこと、色を限定すること、文章で定義することまでが一つの体系として発達しました。
紋章の構成要素|盾・兜・サポーターの全体図
紋章の構成要素|盾・兜・サポーターの全体図
西洋紋章の完全な表示は、アチーブメント(大紋章)と呼ばれる積層構造である。盾を中心に兜、クレスト、マントリング、トルス、サポーター、モットーが上へ重なり、装飾がなくても盾だけで紋章は成立します。
日本の家紋
すべて見る →可児才蔵の家紋|笹の才蔵と三枚笹の由来
可児才蔵の家紋|笹の才蔵と三枚笹の由来
可児才蔵は、戦国時代に名をはせた槍の名手で、本名を可児吉長という武将です。1554年に美濃国可児郡に生まれ、斎藤龍興から福島正則まで八人の主君を渡り歩いた経歴が、その生涯の輪郭をはっきり示しています。
後藤又兵衛の家紋『下がり藤』とその由来
後藤又兵衛の家紋『下がり藤』とその由来
後藤又兵衛(後藤基次)は、永禄3年(1560年)に播磨で生まれ、元和元年(1615年)に大坂夏の陣で戦死した戦国末期の武将である。大河ドラマや戦国ゲームで旗や具足に描かれた藤紋を見て、「これは何の紋だろう」と気になったことがあるなら、その答えは下がり藤です。
結城秀康の家紋|三つ巴と桐紋の由来
結城秀康の家紋|三つ巴と桐紋の由来
結城秀康は、徳川家康の次男として生まれ、豊臣秀吉の養子として羽柴秀康を名乗り、さらに結城晴朝の養子となって結城家を継いだ武将である。1574年から1607年までの短い生涯に、徳川・豊臣・結城という三つの家をまたいだ経歴が、そのまま家紋の姿に刻まれている。
モチーフ図鑑
すべて見る →水仙紋とは|意味・由来と使用家を解説
水仙紋とは|意味・由来と使用家を解説
水仙紋は、水仙の花と葉を意匠化した植物紋で、菊紋や桐紋のような中世武家由来の古い紋ではなく、明治時代以降に登場したと伝わる比較的新しい家紋です。親族の紋帳や着物で見慣れない花の紋に出会い、調べてみると古い家紋帳に記録がないと知って驚く、そんな入口がよく似合います。
南天紋とは|意味・由来と種類・使用家
南天紋とは|意味・由来と種類・使用家
南天紋は、なんてんもんと読み、南天の漢字が難転、つまり「難を転じて福となす」に通じることから縁起の良い植物紋として知られています。実家の家紋を調べたとき、見慣れない赤い実つきの紋が図鑑で南天紋だとわかった驚きは、まさにこの紋の性格をそのまま示していました。
梶の葉紋とは|意味・由来と使用家
梶の葉紋とは|意味・由来と使用家
梶の葉紋は、クワ科の落葉高木カジノキの葉を図案化した植物紋で、手のひら状に3〜5裂する葉の姿をもとにしています。紋では3裂の形が基本で、古代には食物を盛る器、のちには神前に供える器と見なされ、神木としても扱われてきました。
国章・都市紋章
すべて見る →皇室の菊と政府の桐|紋章の使い分け
皇室の菊と政府の桐|紋章の使い分け
菊と桐は、日本の国家を象徴する紋章が二系統に分かれていることを示す代表例である。十六八重表菊は天皇・皇室を表し、五七桐は内閣・政府が慣例的に用いる紋章で、この二つは別主体を指す。
サッカークラブのエンブレムの意味と紋章学
サッカークラブのエンブレムの意味と紋章学
サッカークラブのエンブレムは、中世紋章の直系の子孫である。観戦中にユニフォーム上部の星の数が気になって調べると、クラブごとに数え方が違っていて、そこで初めてこの世界が単なるロゴではなく、現代の紋章として読めるものだとわかります。 由来をたどると、図柄は都市紋章型、人物名型、聖人型の3軸に整理できる。
欧米の大学の紋章|オックスフォード等の意匠を読み解く
欧米の大学の紋章|オックスフォード等の意匠を読み解く
大学の紋章は、オックスフォード大学とケンブリッジ大学を見比べるだけでも、開いた本と閉じた本の違いに明確な意味があるとわかる意匠である。オックスフォードのDominus Illuminatio Meaを載せた開いた本と三つの金の王冠、ケンブリッジの赤地に白貂の十字と中央の閉じた本は、
紋章の歴史
すべて見る →戦国武将の旗印・馬印一覧|信長・信玄・謙信の意味
戦国武将の旗印・馬印一覧|信長・信玄・謙信の意味
旗指物は、平安末期から江戸期にかけて戦場で使われた軍旗や標識の総称で、旗の形をした旗印と、立体物の馬印に大きく分かれます。家紋が一族の恒久的な標であるのに対し、旗印と馬印は戦場で誰がどこにいるかを即座に示す実用の識別装置でした。
騎士団の紋章|テンプル・聖ヨハネ・ドイツ騎士団の十字
騎士団の紋章|テンプル・聖ヨハネ・ドイツ騎士団の十字
三大騎士修道会の紋章は、テンプル騎士団の白地に赤い十字、聖ヨハネ騎士団の白い十字、ドイツ騎士団の白地に黒い十字で見分けられる組織の徽章です。1119年のテンプル騎士団、1113年に公認された聖ヨハネ騎士団、1190年に始まったドイツ騎士団は、いずれも十字軍の時代に生まれ、
メディチ家の紋章 6つの玉に隠された由来
メディチ家の紋章 6つの玉に隠された由来
メディチ家の紋章は、フィレンツェの街角や美術館で繰り返し目にする、金色の盾に赤い玉が並んだ意匠である。現行の形は赤5個と青1個の計6個からなり、青い玉の中には金のユリが3つ描かれる。まずはこの「赤い玉は何か」という素朴な疑問に、正面から向き合ってみましょう。
紋章デザイン
すべて見る →紋章が由来の企業ロゴ7選|実在の家紋・市章をたどる
紋章が由来の企業ロゴ7選|実在の家紋・市章をたどる
紋章をルーツに持つ企業ロゴとは、都市や家系、地方に伝わる実在の紋章を、そのまま、あるいはほぼそのまま受け継いだブランドマークのことです。ポルシェの中央の跳ね馬と外周の鹿角、アルファロメオのミラノの十字とヴィスコンティ家のビショーネのように、1952年や1910年といった採用年まで追うと、
自動車エンブレムと紋章の由来|7ブランドで読む
自動車エンブレムと紋章の由来|7ブランドで読む
自動車エンブレムは、12世紀ごろに戦場で生まれた西洋紋章の系譜を引く図柄であり、ポルシェ、アルファロメオ、キャデラック、プジョー、マセラティ、サーブ、フェラーリ、ランボルギーニのマークには、その名残がはっきり見えます。
ラグビー代表チームの紋章と象徴の意味
ラグビー代表チームの紋章と象徴の意味
各国ラグビー代表のジャージ胸にある花や動物の紋章は、単なるチームロゴではなく、その国を代表する象徴を図柄化したエンブレムです。しかも、それは盾・兜・標語を備えた正式なコート・オブ・アームズとは別物であり、まずこの境界を押さえるだけで見え方が変わります。
コラム
すべて見る →ゲーム・オブ・スローンズの紋章|9大ハウスの意匠・標語・元ネタを完全解説
ゲーム・オブ・スローンズの紋章|9大ハウスの意匠・標語・元ネタを完全解説
『ゲーム・オブ・スローンズ』の9大ハウス紋章は、薔薇戦争をはじめとする中世西洋紋章学を下敷きに設計された象徴体系です。スターク家の白地に灰色のダイアウルフ、ラニスター家の深紅地に黄金のライオン、ターガリエン家の黒地に赤い三頭竜は、家の歴史と勢力図をそのまま図像化しています。
ファイアーエムブレムの「紋章」を紋章学で読む|炎・聖戦・風花雪月3作品の意匠解剖
ファイアーエムブレムの「紋章」を紋章学で読む|炎・聖戦・風花雪月3作品の意匠解剖
『ファイアーエムブレム』シリーズの「紋章」は、王権・封印・聖性を一枚の記号に集約した装置です。とくに『ファイアーエムブレム 紋章の謎』では1994年1月21日の発売を起点に、シリーズ第3作としてその象徴性が前景化します。
最新記事
すべて見る →水仙紋とは|意味・由来と使用家を解説
水仙紋とは|意味・由来と使用家を解説
水仙紋は、水仙の花と葉を意匠化した植物紋で、菊紋や桐紋のような中世武家由来の古い紋ではなく、明治時代以降に登場したと伝わる比較的新しい家紋です。親族の紋帳や着物で見慣れない花の紋に出会い、調べてみると古い家紋帳に記録がないと知って驚く、そんな入口がよく似合います。
南天紋とは|意味・由来と種類・使用家
南天紋とは|意味・由来と種類・使用家
南天紋は、なんてんもんと読み、南天の漢字が難転、つまり「難を転じて福となす」に通じることから縁起の良い植物紋として知られています。実家の家紋を調べたとき、見慣れない赤い実つきの紋が図鑑で南天紋だとわかった驚きは、まさにこの紋の性格をそのまま示していました。
梶の葉紋とは|意味・由来と使用家
梶の葉紋とは|意味・由来と使用家
梶の葉紋は、クワ科の落葉高木カジノキの葉を図案化した植物紋で、手のひら状に3〜5裂する葉の姿をもとにしています。紋では3裂の形が基本で、古代には食物を盛る器、のちには神前に供える器と見なされ、神木としても扱われてきました。
雪輪紋とは|意味・由来と使用家
雪輪紋とは|意味・由来と使用家
雪輪紋は、輪郭に6か所のくぼみを持つ丸い輪で雪を象った自然紋で、雪輪の中でも基本形にあたる意匠です。雪が降り積もった丸い塊や雪の結晶を抽象化した形で、家紋分類では天文・気象を象る自然紋の一群に入ります。
山形紋とは|意味・由来と使用家
山形紋とは|意味・由来と使用家
山形紋(やまがた)は、山の形を幾何学的に記号化した自然紋の一種で、写実的な山紋とは別系統にあたります。三角を一つ、または複数重ねた素朴な形が基本で、墓地で三角を重ねた紋を見つけたときに「山」なのか「山形」なのか迷い、墓誌の山口という苗字と照らして手がかりを探すような調べ方が、その判別の感覚に近いでしょう。
蔓柏紋とは|意味・由来と使用家
蔓柏紋とは|意味・由来と使用家
蔓柏(つるかしわ)は、柏紋の一種で、三つ柏の葉のあいだから左右に分かれた蔓をのぞかせて描く紋である。家系図や古い位牌、墓石で蔓柏らしき紋を見つけても三つ柏との違いが判然としないことは少なくなく、見分けの鍵は蔓の有無にある。